
PCの組み立てやメンテナンスをしている最中にCPUグリスがないことに気づくと本当に焦りますよね。
作業を中断して今すぐ買いに行きたいけれど、CPUグリスがどこに売ってるか確信が持てず、ヤマダ電機やドンキのような身近なお店にあるのか、それともダイソーなどの100均で代用できるものが見つかるのかと、必死に検索している方も多いのではないでしょうか。
実は私自身も、深夜にPCを組んでいてグリスの買い忘れに気づき、コンビニやホームセンターを無駄に走り回った苦い経験があります。
パソコンの熱暴走を防ぐ重要なパーツだからこそ、適当なもので済ませるわけにはいきません。
- 確実にCPUグリスを入手できるのは家電量販店のPCパーツコーナーや専門店
- コンビニやドンキホーテには基本的に取り扱いがないため無駄足を避けるべき
- 100均のグッズや歯磨き粉などを代用品として使うのは故障のリスクが高すぎる
- 近くに店舗がない場合は送料無料のネット通販を活用するのが最も賢い選択
CPUグリスはどこに売ってる?確実な販売店と売り場
PCを組んでいる途中や、CPUクーラーを交換しようとヒートシンクを外した瞬間に「あっ、グリスがない!」と気づいた時の絶望感、私も痛いほどよくわかります。そんな時、とりあえず近くのお店に走りたくなりますが、CPUグリスは非常にニッチな商品なので、どこにでも売っているわけではありません。無駄足を踏まないためにも、まずは確実に手に入る場所と、その売り場について詳しく解説していきますね。
ヤマダ電機など家電量販店の売り場は何階か
まず最初に目指すべきは、ヨドバシカメラやビックカメラ、ヤマダ電機といった大手家電量販店です。ただし、どこの店舗でも置いているわけではないので注意が必要ですね。
私の経験上、最も確実なのは、主要ターミナル駅にある「本店」や「旗艦店」クラスの大型店舗です。例えば、秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkibaであれば、2階の「PCパーツコーナー」に行けば間違いなく手に入ります。ここで重要なのは、「PC本体売り場」や「PC周辺機器売り場」ではないという点です。
マウスやキーボードが並んでいる周辺機器コーナーではなく、マザーボードやグラフィックボード、CPUクーラーが陳列されている「自作PCパーツ(DOS/Vパーツ)」のコーナーを目指してください。
多くの店舗では、CPUクーラーの陳列棚のすぐ横や、エアダスターなどのメンテナンス用品の近くにひっそりと置かれています。売り場が広い店舗だと見つけるのに苦労することもありますが、「冷却パーツ」のエリアを探すのが正解です。
一方で、郊外にある中規模のヤマダ電機やケーズデンキの場合、状況は少し厳しくなります。これらの店舗は冷蔵庫や洗濯機といった白物家電がメインで、PCパーツの取り扱いはマウスやUSBメモリなどのサプライ品に限られていることが多いからです。もし近所の家電量販店に行く場合は、事前に電話で「自作PC用のCPUグリスはありますか?」と在庫確認をしてから向かうことを強くおすすめします。
ツクモなどのPCパーツ専門店なら種類も豊富
もしあなたの行動範囲内に、ツクモ(TSUKUMO)、ドスパラ、パソコン工房といったPCパーツ専門店があるなら、そこがベストな選択肢になります。家電量販店以上に「ハズレがない」のが専門店の強みですね。
専門店の素晴らしいところは、単に「売っている」だけでなく、種類の選択肢が非常に豊富だという点です。初心者向けの塗りやすいグリスから、オーバークロックをするようなヘビーユーザー向けの高性能グリスまで、棚一面にずらりと並んでいる光景は圧巻です。
例えば、ツクモパソコン本店のような店舗では、PCパーツのフロアに「消耗品・工具」というコーナーが設けられており、そこにネジ一本、ケーブル一本と共にグリスが並んでいます。私のような自作好きにとっては、グリスを選ぶついでに「あ、そういえばケースファンのネジも欲しかったんだ」と、必要な小物をまとめて調達できるのが本当に助かります。
また、店員さんの知識レベルが高いのも安心材料です。「Core i7を使っているんですけど、よく冷えて塗りやすいのはどれですか?」と聞けば、的確なアドバイスをもらえるはずです。初めて自分でグリスを塗るという方は、迷わず専門店に行って相談してみるのが一番の近道かなと思います。
ドンキにCPUグリスは売ってる?在庫状況を調査
深夜まで営業している「驚安の殿堂」ドン・キホーテ。困った時の駆け込み寺として、「もしかしたらドンキにならあるかも?」と期待してしまう気持ち、すごくよくわかります。なんでも売っているイメージがありますからね。
しかし、残念ながらドン・キホーテでCPUグリスが売っている可能性は限りなくゼロに近いです。私も過去に淡い期待を抱いて深夜のドンキを探し回ったことがありますが、結果は徒労に終わりました。
ドン・キホーテのPC用品売り場は、主に「ライトゲーマー」や「スマホユーザー」をターゲットにしています。光るキーボード、ゲーミングヘッドセット、マウスパッドなどは充実していますが、PCの内部を開けてパーツを交換するような自作ユーザー向けの商品は基本的に置いていません。
マザーボードやCPUそのものを売っていないお店が、そのメンテナンス用品であるグリスだけを置く合理的理由はまずありません。秋葉原店のような超例外的な店舗を除き、一般的なドン・キホーテには「ない」と思っておいた方が無難です。貴重な時間を無駄にしないためにも、ドンキは選択肢から外しましょう。
コンビニでCPUグリスは買える?取り扱いを解説
「今すぐPCを直したい!」という緊急時、一番近くにあるコンビニエンスストアに売っていたらどんなに助かるでしょうか。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなど、私たちの生活に欠かせないコンビニですが、ここにもCPUグリスは置いていません。
理由はシンプルで、コンビニは「限られた棚スペースで、毎日売れるものを置く」というビジネスモデルだからです。おにぎりや飲み物、あるいはスマホの充電ケーブルやイヤホンといった「緊急性が高く、多くの人が必要とするもの」が優先されます。
CPUグリスのように「数年に一度しか買わない」「一部のパソコン好きしか使わない」商品は、コンビニにとっては坪効率が悪すぎるんですね。たとえ大型の店舗であっても、電気機器コーナーにあるのは乾電池やSDカード、USBケーブルくらいまでです。PC内部の消耗品を探す場所として、コンビニは適切ではありません。
100均のダイソーやセリアにPC用グリスはない
最近の100円ショップ、特にダイソーやセリアの品揃えは目を見張るものがあります。「PCグッズ」のコーナーも充実していて、「もしかしたらグリスも100円で売ってるんじゃないか?」と期待してしまいますよね。ネットで検索すると「ダイソー グリス」なんてワードも出てきますし。
しかし、結論から言うと、現在100均で「CPU用」のグリスは販売されていません。
100均のPCグッズコーナーに並んでいるのは、以下のような商品が中心です。
- スマホスタンドやタブレット用のアーム
- USBハブや延長ケーブル
- マウスパッドやリストレスト
- PC画面用のクリーニングティッシュ
これらはすべて「PCの外側」で使うアクセサリーです。PCの内部パーツに関わる商品は、やはり専門性が高すぎるためか取り扱われていません。かつては一部の店舗でシリコングリスのようなものがあったという噂もありますが、2024年以降の現在においては、少なくともCPU冷却用として安心して使えるレベルの商品は確認できませんでした。
100均の工具コーナーや自転車コーナーに行くと、チューブに入った「万能グリス」やスプレー式の「シリコンスプレー」が売っていることがあります。しかし、これらは潤滑(滑りを良くする)ためのもので、熱を伝えるためのものではありません。絶対にCPUには塗らないでください!
ホームセンターでPC用の放熱グリスは買えるか
カインズやコーナン、ビバホームといった大型ホームセンターならどうでしょうか。「プロ向けの資材館ならあるかも」と思いますよね。ここは「可能性はゼロではないが、かなり低い」という微妙なラインです。
ホームセンターには確かに膨大な種類の接着剤や補修材が売られています。その中には、電子工作用のハンダごてなどが置かれているコーナーがあり、ごく稀に放熱用シリコングリスが置かれている場合もあります。しかし、それはPC用というよりは、パワートランジスタなどの電子部品用として売られていることが多いです。
また、建材売り場にある「シリコーンシーラント」と混同してしまうリスクもあります。これはお風呂場の目地などを埋める充填剤であり、CPUに塗るものではありません。ホームセンターは売り場が広大すぎて探すのが大変なうえ、専門の店員さんがいないと商品を見つけるのも困難です。「あればラッキー」程度に考えておき、基本的にはPC専門店を目指す方が確実です。
CPUグリスがどこに売ってるか悩む時の選び方と注意点
さて、確実に買える場所がわかったところで、次は「何を買うべきか」、そして「手に入らない時にやってはいけないこと」についてお話しします。特に初心者が陥りやすいミスや、ネット上の間違った情報には注意が必要です。
緊急時の代用に歯磨き粉やニベアは絶対NG
夜中に作業していてグリスがないことに気づいた時、ネットで「CPUグリス 代用」と検索すると、驚くような情報が出てきます。「歯磨き粉で代用できる」「ニベアクリームやオロナインが使える」といった噂です。YouTubeなどでも検証動画が上がっていたりしますね。
これについて、私の見解は明確です。絶対に代用してはいけません。たとえ数分間のテスト起動であってもおすすめしません。
確かに、塗りたての歯磨き粉は水分を含んでいるため、一時的には熱を伝えて冷えることがあります。しかし、CPUの熱を受けると水分はすぐに蒸発し、歯磨き粉はカピカピに乾燥して固まります。こうなると熱伝導性は失われ、逆に断熱材のようになって熱を閉じ込め、CPUの温度が急上昇します。
さらに怖いのは「腐食」のリスクです。歯磨き粉に含まれる研磨剤やフッ素、ハンドクリームに含まれる油分や香料といった成分が、熱で溶け出してマザーボードに垂れたり、CPUの金属部分(ヒートスプレッダ)を腐食させたりする可能性があります。数百円のグリスをケチった結果、数万円のCPUやマザーボードを壊してしまっては元も子もありません。「代用品はPCを破壊する時限爆弾」だと認識してください。
シリコングリスのおすすめは?熱伝導率で選ぶ
お店に行くと、たくさんの種類のグリスが並んでいて迷ってしまうかもしれません。パッケージには「熱伝導率 〇〇W/mK」といった数字が書かれていますが、初心者はどれを選べばいいのでしょうか。
私が迷わずおすすめするのは、「Arctic MX-4」という製品です。これは自作PC界隈では超定番のロングセラー商品です。
- 入手性:ヨドバシやビックカメラなら大抵置いてあります。
- 性能:トップクラスではありませんが、十分によく冷えます。
- 扱いやすさ:これが一番の理由です。柔らかすぎず硬すぎず、初心者でも非常に塗り広げやすい粘度です。
- 安全性:非導電性(電を通さない)なので、もし間違って基板にはみ出してしまってもショートする心配がありません。
もう少しこだわりたい、という方には日本の「信越化学工業」製のグリスもおすすめです。こちらはプロ仕様で信頼性が抜群に高いのですが、少し粘度が高くて塗りにくいものもあるので、慣れてきてから挑戦するのがいいかもしれません。
| 製品名 | 特徴 | おすすめユーザー |
|---|---|---|
| Arctic MX-4 | 塗りやすく、性能バランスが良い | 初心者〜中級者 |
| 信越化学 Gシリーズ | 耐久性が高く、経年劣化に強い | こだわりのある中級者以上 |
| ダイヤモンドグリス | 熱伝導率が非常に高い | オーバークロックをする上級者 |
(出典:株式会社オウルテック『信越化学工業製 スタンダードCPU冷却グリス Gシリーズ』)
塗り替え頻度は?数年放置でも大丈夫か解説
「一度塗ったグリスはどれくらい持つの?」という疑問もよく聞かれます。これに関しては、使用しているグリスの品質にもよりますが、基本的には2年〜4年くらいは放置しても大丈夫なことが多いです。
ただし、PCを使っているうちに「最近ファンの音がうるさくなったな」とか「アイドル時の温度が高いな」と感じたら、それはグリスの寿命かもしれません。長期間熱にさらされたグリスは、「ポンプアウト」と言って乾いて外側に押し出されてしまったり、硬化してひび割れたりします。
もしPCの掃除などでCPUクーラーを一度でも取り外した場合は、どんなに塗りたてであっても、必ず古いグリスを拭き取って新しく塗り直してください。一度剥がれたグリスには空気が入り込んでしまい、そのまま付け直しても本来の性能が発揮できないからです。
古いグリスの拭き取りに除光液は代用できる?
新しいグリスを塗る前に、古いカピカピになったグリスを綺麗に除去する必要があります。この時、「マニキュアを落とす除光液で代用できる」という話を耳にすることがありますが、これも私はおすすめしません。
多くの除光液には、爪を保護するために「保湿成分」や「オイル」が含まれています。これでCPUを拭くと、表面に油膜が残ってしまい、新しいグリスの密着を妨げる原因になります。せっかく良いグリスを塗っても、下地が汚れていては意味がありません。
正解は「無水エタノール」を使うことです。これは薬局(ドラッグストア)で簡単に手に入りますし、水分をほぼ含まないので電子機器の清掃に最適です。もし専用のクリーナーを買うのがもったいなければ、薬局で無水エタノールを買ってきて、キムワイプやコーヒーフィルター(毛羽立たない紙)につけて拭き取るのがプロもやっている確実な方法です。
通販ならCPUグリスがどこに売ってるか即解決
ここまで実店舗の話をしてきましたが、もし「近くにヨドバシもツクモもない!」という場合は、やはりネット通販が最強の味方です。
ただし、Amazonを利用する場合は少し注意が必要です。CPUグリスは単価が1,000円〜1,500円程度のものが多く、プライム会員でないと送料がかかってしまったり、「あわせ買い対象」になっていて単品で買えなかったりすることがあります。
そこで私が個人的に激推ししたいのが「ヨドバシ・ドット・コム」です。ヨドバシの通販は、なんとグリス1本、数百円のパーツ1個からでも日本全国送料無料で届けてくれます。しかも在庫があれば配送スピードもAmazonに負けないくらい速いです。
「今日中に直さないと仕事にならない!」という緊急時以外は、ガソリン代や電車賃、そして何店舗も回る時間を考えれば、ネットでポチって翌日届くのを待つのが、結果的に最もコストパフォーマンスが良い解決策になることが多いです。
CPUグリスはどこに売ってる?確実な販売店と売り場(まとめ)
最後に、今回のポイントをもう一度おさらいしておきましょう。CPUグリスがどこに売ってるか迷ったら、以下の優先順位で探してみてください。
- 最優先:ヨドバシカメラ、ビックカメラなどの大型家電量販店の「PCパーツコーナー」。
- 確実性No.1:ツクモ、ドスパラなどのPC専門店。種類も相談もバッチリ。
- 避けるべき場所:コンビニ、ドン・キホーテ、100均(ダイソー・セリア)。ここには売っていません。
- ネット通販:単品購入なら送料無料のヨドバシ・ドット・コムが優秀。
PC自作やメンテナンスにおいて、グリスは地味ですが非常に重要な役割を持っています。焦って歯磨き粉などで代用することなく、適切な場所で適切な製品を手に入れて、大切なPCを長く快適に使ってあげてくださいね。この記事が、あなたのPCトラブル解決の糸口になれば嬉しいです。