家を売却する際、住民票について“どうすればいいの?”と考えている人は多いのではないでしょうか。
売りに出した家がまだ買い手は見つかっていない状態で新居に引越した場合、住民票を新住所に異動させてもいいのかどうか。
逆に異動させなければどうなるか。
家の売却にはたくさんの手間と費用が必要なので、少しのことをなるべく効率よくやってちょっとでも手間を省いたり費用を抑えたりしたいものです。
そのためのアドバイスを住民票にフォーカスして紹介します。
住民票を移動させるべきタイミング
住民票異動のタイミング
家の売却が済んでいない状態で新しい住居に引越す場合、速やかに新しい住所に住民票を異動させましょう。
家の売却云々に関わらず、“引越し日から14日以内に転入届を出さなければならない”と法律で定められているのです。
14日以内に転入届を出さなければ、最高5万円の過料が課せられるとされています。
そのため、家が売れていようがいまいが引越したら新住所に住民票を異動しましょう。
家の売却が完了していなくても、引越しさえ完了していれば住民票は異動させられるので手続きしましょう。
家の売却で住民票を異動させる際の注意点
注意点
無事に家を売却し家の所有権を買主に移動させる際に、売却した家の住所で登録された発行3ヶ月以内の印鑑登録証明書が必要になります。
新住所に住民票を異動させると旧住所の印鑑登録証明書は自動的に抹消されて二度と発行できなくなるので、住民票を異動させる前に取得しておきましょう。
旧住所の印鑑登録証明書が取得できない場合
住所変更登記が必要
- 既に住民票を異動してしまった
- 転入届を出す前に印鑑登録証明書を取得したけど有効期限が切れてしまった
旧住所の印鑑登録証明書を取得せず住民票を異動してしまったり、取得したけど3ヶ月以内に買主が見つからず、発行3ヶ月以内という有効期限を過ぎてしまった場合は、所有権移転登記をする際に住所変更登記という手続きが必要になります。
住所変更登記について
住所変更登記概要
- 登記上の住所と印鑑登録証明書の住所を一致させる手続き
- 自分でも手続き可能
- 必要書類(登記名義人住所変更登記申請書・住所履歴証明書類)
住所変更登記とは、登記名義人の登記上の住所と現住所が異なる際に、登記上の住所を変更して現住所と一致させる登記手続きを言います。
家の売却で住所変更登記が必要な理由
家を売却するにあたって、すでに新たな住居に引越して住民票を異動しているなどの場合、印鑑登録証明書には当然現住所が記載されており、売却する家の登記名義人の登記上の住所と異なることになります。
無事に買主が見つかって所有権移転登記をする際、売主の印鑑登録証明書が必要ですが、そこに記載されている住所が登記名義人の登記上の住所と違うものであれば、本当に売主(登記名義人)の家なのかどうかを法務局が公的に判断できないのです。
そのため、登記名義人の登記上の住所を引越し先の現住所に変更する住所変更登記をし、家が売主(登記名義人)の家であることを証明する必要があります。
そうしないと、所有権移転登記ができないので買主に家を引き渡すことができません。
住所変更登記は自分でできる
必要書類さえ揃えれば、買主に家の所有権を移転する際に司法書士が住所変更登記も申請してくれるのであえて自分でする必要はありませんが、住所変更登記は比較的簡単な手続きなので自分ですることも可能です。
専門家に依頼すると費用をとられますが、自分で手続きすれば最低限の必要経費しかかかりません。
時間があれば挑戦してみるのも良いでしょう。
住所変更登記のやり方
まとめ
家を売却するにあたって、すでに新たな地に引越しているなら2週間以内に住民票を異動させなければなりません。
“引越し日から14日以内に転入届を出さなければならない”と法律で決められており、それを破ると罰金5万円が課せられることがあります。
住民票が移されると印鑑登録証明書の住所も必然的に新住所に変わり、前の住所の印鑑登録証明書は二度と発行できなくなってしまいます。
家を売却するには、売却する家の登記上の住所と印鑑登録証明書の住所が一致していなければなりません。
そのため、住民票を異動させるまえに前の住所の印鑑登録証明書を取得しておきましょう。
しかし、家の売却では発行3ヶ月以内の印鑑登録証明書が必要となっているため、3ヶ月以内に家が売れなければ印鑑登録証明書の効力がなくなってしまいます。
そうなると新住所の印鑑登録証明書しか発行できなくなり、登記上の住所と印鑑登録証明書の住所が一致しない状態になるので、家の所有権移転登記が申請できなくなります。
その場合は住所変更登記をして、登記上の住所と印鑑登録証明書の住所を一致させる必要があります。
司法書士に家の所有権移転登記をしてもらう際に住所変更登記もしてもらえますが、住所変更登記は自分でもできるので、少しでも費用を抑えたい人は自分でチャレンジしてみるのも良いでしょう。