家の売却

家を売るときの必要書類と再取得方法【紛失した場合もここで解決!】

家を売るときには、事前準備としてまず必要書類を準備しなければなりません。

家の売却において書類を揃えなければならない場面は、大きく分けて下記4つになります。

  1. 家の売却を依頼するとき
  2. 家の売買契約を交わすとき
  3. 家を買主に引き渡すとき
  4. 家の売却後に確定申告するとき

今回は、この4つの場面で何の書類が必要なのか、どうやって書類を手に入れるのかなどをわかりやすく解説していきます。

家の売却をスムーズに進行するためにも、このサイトを見ながら早めに書類を準備しておきましょう。

家の売却を依頼するときに必要な書類

家の売却を依頼するときに必要な書類
家を売却する人のほとんどが、不動産業者などの仲介業者に売却を依頼するでしょう。

このとき、不動産業者は依頼主が提出した書類に基づいて広告を作ったりなどの販売活動を行います。

不動産業者によって提出を求める書類が違う場合もありますが、一般的には下記の書類が必要です。

登記簿謄本(土地&建物)※登記事項証明書ともいう

再取得場所

  • 法務局

請求方法

取得に必要なもの

  • 登記事項証明書申請書
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 申請手数料分の収入印紙(1通600円)※土地と建物それぞれ1通ずつ必要

所在地や所有者の情報など、土地や建物の権利関係が示されている書類で、登記事項証明書ともいいます。

手元にない場合は法務局にて、窓口請求、郵送請求、オンライン請求の3つの方法から取得できます。

手数料は通常1通600円で、土地と建物の登記事項証明書を1通ずつ請求する場合は、600円×2通=1,200円必要です。

オンライン請求だと手数料がいくらか安くなり、窓口に行く手間も郵送で請求する手間もいらないのでおすすめです。

売買契約書

再取得場所

  • 家購入時の不動産業者やハウスメーカー

家の状況や条件などを確認するため、家を買う際に不動産業者やハウスメーカーと締結した売買契約書が必要です。

手元にない場合は、購入時にお世話になった不動産業者やハウスメーカーに問い合わせてみましょう。

契約書は契約を交わす双方が持つのが普通なので、家購入時に契約した不動産業者が同じものを持っているはずです。

重要事項説明書

再取得場所

  • 家購入時の不動産業者やハウスメーカー

家を購入したときに受け取っている、家や契約などに関する重要事項が説明されている書類です。

紛失した場合は、購入時に契約した不動産業者やハウスメーカーに問い合わせてみましょう。

しかし、こちらは不動産業者が保管する義務がないので、持っていない可能性も考えられます。

再取得できなかった場合、家の売却を依頼した不動産業者にその旨を伝えましょう。

土地測量図(地籍測量図)・境界確認書

再取得場所

  • 法務局

請求方法

取得に必要なもの

土地の面積や隣家との境界線について明記されている書類です。

再発行は法務局にて窓口申請かオンライン請求で行えますが、過去に測量がされていない土地は地籍測量図などがない場合があります。

家を売却する際は測量する必要があるかもしれないので、地積測量図がない場合は不動産業者に相談するようにしましょう。

図面・設備等仕様書

再取得場所

  • 家購入時の不動産業者やハウスメーカー

間取り図や水回りの設備など、住宅に備え付けられているもの等の情報が明記されている書類です。
家の購入時に配布されるものですが、見当たらない場合は家を購入した不動産業者やハウスメーカーなどに連絡してみましょう。

固定資産税納税通知書

※再発行はできないので紛失の場合は類似書類の発行

取得場所

  • 管轄の市区町村役所

取得に必要なもの

  • 証明書申請書(市区町村によって異なる)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 手数料(約200~300円)※市区町村によって異なる

固定資産税の納税額を知るための書類です。

家の売却時には移転登記という手続きを行わなければなりませんが、その際に登録免許税が発生し、その税額を算出するのにも使用されます。

支払いは毎年ありますが、最新のものを用意するようにしましょう。

手元になければ管轄の市区町村役所で、家の所有者や固定資産税額などが記載された土地家屋課税台帳証明書(名寄帳)たる類似書類の写しを発行してもらうことになります。

納税通知書自体は紛失しても再発行してもらえません。

申請書や手数料などは市区町村によって異なるので、それぞれの役所の公式サイトなどで確認してみましょう。

家の売買契約を交わすときに必要な書類

家の売買契約を交わすときに必要な書類
家の買主が見つかり、実際に売買契約を交わす際に必要な書類です。

主に家の所有者や住宅ローンの状況などを示す書類と、契約書を交わす上で必要な証明書などになります。

身分証明書(運転免許証・パスポート・保険証)

売主が所有者本人であるかどうか確認するために必要な書類です。

実印

備考

  • 家が共有名義の場合は共有者全員分必要

市区町村の役所に印鑑登録した印鑑です。

家を購入する際も実印が必要なので持っていないということは少ないと思いますが、もし印鑑登録していない場合は役所に登録しに行きましょう。

また、印鑑登録した実印を紛失した場合は、新しい実印の改印届などの手続きが必要です。

実印を紛失してしまった場合の対処法はこちら↓
実印を紛失した場合の対処法|印章うんちく事典【ハンコヤドットコム】

通帳

売却代金を振り込んでもらう銀行口座の通帳です。

家の売却代金は決して安くないので、どの銀行口座に入金してもらうかよく考えましょう。

印鑑登録証明書

取得場所

  • 管轄の市区町村役所

備考

  • 発行後3ヶ月以内のもの
  • 家が共有名義の場合は共有者全員分必要

実印が正式に印鑑登録されているものだということを証明する証明書で、発行後3ヶ月以内のものが必要です。

住民票

取得場所

  • 管轄の市区町村役所

備考

  • 登記した住所と現住所が異なる場合に必要
  • 発行後3ヶ月以内のもの

家の売却にあたって引越すなどしていて登記上の住所と現住所が違う場合、その履歴を追える書類として住民票が必要になります。

発行3ヶ月以内のものを用意しましょう。

住宅ローン残高証明書(ローン返済予定表)

再取得場所

  • 住宅ローンを契約した金融機関

再取得に必要なもの

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)

住宅ローンを利用して家を購入した場合、融資を受けている金融機関から10月上旬から下旬にかけて送られてくる住宅ローンの残高を証明する書類です。

返済予定表でも大丈夫ですが、両方紛失した場合は金融機関に再発行依頼をしましょう。

金融機関によって再発行に必要な書類は異なりますが、多くの場合、運転免許証などの本人確認書類があれば問題ないでしょう。

家を買主に引き渡すときに必要な書類

家を買主に引き渡すときに必要な書類

登記済権利書または登記識別情報

※再発行できないので紛失した場合は別の手続きが必要
①事前通知制度
②本人確認情報の提供

家の所有者であることを証明する書類で、家を購入したときに法務局から発行されているはずです。

これがないと、家の所有権を移転する手続きが基本的にはできないことになっていますが、再発行はできない書類なので所有権の移転をする際に以下いずれかのような特別な手続きが必要になります。

事前通知制度


家を売却した際に、登記権利済証を提示できないことを説明したうえで登記申請をすると、法務局から売主の住所へ“事前通知書”たるものが発送されます。

これは本人限定受取郵便で発送されるので、宛名である本人が運転免許証などの本人確認書類を配達員に提出しないと受け取れません。

これを無事に受け取って事前通知書に実印を押印し、法務局に持参するか郵送すると、家の所有者が自分であることを証明できます。

事前通知書が発送されてから2週間以内に法務局に届けなければならないので、注意が必要です。

本人確認情報の提供

司法書士や土地家屋調査士などの有資格者に登記権利済証の代わりとなる“本人確認情報”を作成してもらい、法務局に提出する方法です。

本人確認情報とは、有資格者が作成できる間違いなく家の所有者は自分であることを証明できる書類となります。

事前通知書よりも信頼性が高いので家を売る際には非常に有効ですが、司法書士などに依頼する必要があるので5~10万円ほどの費用が必要です。

建築確認済証・検査証

※再発行できないので紛失した場合は代わりに建築物台帳等記載事項証明書を発行
取得場所

  • 市区町村役所

取得に必要なもの

  • 手数料(数百円~数千円)※役所によって異なる

建築確認済証とは、家が建築基準法に則って建てられたものであることを証明する書類です。

現地にて建築基準法と適合しているかが検査され、検査済証が発行
されます。

これらは紛失しても再発行できませんが、役所にて建築物台帳等記載事項証明書を発行してもらうことで、建築確認や検査が行われた家であることを証明できます。

一度建築確認や検査が行われると、建築確認済証や検査証の交付年月日などが役所で保管される台帳に記載されます。

建築物台帳等記載事項証明書は、台帳に記載がある事項であることを証明する書類です。

なお、発行における手数料や必要書類は役所によって異なるので、各役所の公式サイトなどから調べてみましょう。

建築工事設計図書

再取得場所

  • 購入時の不動産業者やハウスメーカー等

どのように設計や工事が行われたかが記されている書類で、買主が今後家を維持したりリフォームしたりする上でとても重要なものになってきます。

紛失した際は、家を購入した不動産業者やハウスメーカーなどがコピーを持っている可能性があるので、連絡してみましょう。

設備に関する説明書

再取得場所

  • メーカー公式サイト・サポートセンター

トイレやキッチン、お風呂などの住宅設備に関する説明書です。

紛失した場合は、各メーカーの公式サイトに掲載されていないか見てみましょう。

また、各メーカーが設置しているサポートセンターに問い合わせてみるのも手です。

抵当権抹消書類

  • 抵当権抹消登記申請書・・・法務局の窓口やネットから入手できる申請書
  • 解除証書または弁済証書・・・住宅ローンの返済が終了し抵当権を抹消することができることを証明する書類。金融機関によってはない場合がある
  • 抵当権設定契約証書・・・住宅ローンを組んだことを証明する書類
  • 委任状・・・金融機関自らではなく他の誰かに抵当権抹消手続きを委任するための委任状
  • 登記事項証明書・・・上述

抵当権とは、住宅ローンを組んでお金を借りる際、家と土地を担保にする権利のことです。

家を売る人のほとんどが住宅ローン返済中で、売却金額でローンを完済しようとするケースが多いですが、完済した後はこの抵当権を抹消してから買主に引き渡さなければなりません。

その抵当権を抹消するのに必要な書類が、上記4つの抵当権抹消書類となります。

自分で準備する書類は抵当権抹消登記申請書のみで、あとは売却金額などで住宅ローンを完済した際に金融機関からもらうものやすでに持っている書類になります。

決済のときは買主の司法書士が同席しているはずなので、その方が手続きなどの指示を行ってくれます。

決済終了後、司法書士が家の所有者を移転させる登記手続きと抵当権抹消手続きを同時に行うのが一般的です。

家の売却後に確定申告するときに必要な書類

無事に家を売却した後は、確定申告をしなければなりません。

その際に必要な書類はこちら↓

まとめ

以下にシーン別の必要書類と再取得場所をまとめました。

どの書類が必要でない場合にどうすべきかを知っておけば、家の売却をスムーズに進行でき、買主にも信頼してもらえます。

いざというときにあたふたしないように、チェックしておきましょう。

家の売却を依頼するときに必要な書類


必要書類 再取得場所 備考
登記簿謄本 法務局
売買契約書 家購入時の不動産業者
重要事項説明書 家購入時の不動産業者
土地測量図
境界確認書
法務局 ※土地測量図が存在しない家もある
図面・設備等仕様書 家購入時の不動産業者
固定資産税納税通知書 市区町村役所 再発行不可なので以下書類発行
土地家屋課税台帳証明書の写し

 

家の売買契約を交わすときに必要な書類


必要書類 再取得場所 備考
身分証明書 運転免許証やパスポートなど
実印 共有名義の場合は全員分
紛失の際は改印届が必要
通帳 家の売却代金を振り込んでもらう口座の通帳
印鑑証明書 市区町村役所 共有名義の場合は全員分
図面・設備等仕様書 家購入時の不動産業者
住民票 市区町村役所 登記した住所と現住所が異なる場合に必要
発行後3ヶ月以内のもの
住宅ローン残高証明書 住宅ローンを契約した金融機関 ローン返済予定表でも可
再取得は本人確認書類(運転免許証等)が必要

 

家を買主に引き渡すときに必要な書類


必要書類 再取得場所 備考
登記識別情報

再発行不可のため以下いずれかの手続き

  • 事前通知制度の利用
  • 本人確認情報の提出
建築確認済証
検査証
市区町村役所 再発行不可なので以下書類発行
建築物台帳等記載事項証明書
建築工事設計図書 家購入時の不動産業者
設備に関する説明書 メーカー公式サイト
サポートセンター
抵当権抹消書類
  • 抵当権抹消登記申請書
  • 解除証書または弁済証書
  • 抵当権設定契約証書
  • 委任状
  • 登記事項証明書

 

住宅ローンが残っている家を売却するときには、こちらの記事を参考にしてください。

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