マンションの売却は、まず不動産業者にマンションを査定してもらうことから始まります。
査定額を少しでも引き上げるために、必死に掃除をしようとする人がいるかもしれません。
しかし、掃除をしようがしまいが査定額にはなんら影響はないのです。
ゴミが落ちていても減額はされないし、掃除が行き届いていても増額はされません。
だからといって、マンションを売却するにあたって掃除がまったく必要ないかといえばそうではありませんし、査定額をアップされるために何もできることがないわけではありません。
ここでは、マンションの売却における掃除するべきタイミングと査定の際にするべきことなどを紹介します。
マンションの査定で査定士が見るところ
マンション査定士が見るところ
- 傷・凹み
- リフォームの必要性
- 間取り
- 日当たり
- 景色etc...
不動産業者の査定士は、部屋が掃除されているかどうかは見ていません。
査定士が見るのは、傷・凹み、リフォームの必要性や間取り、日当たり、景色など、住人がどう頑張っても変えられないマンションの地の部分を見に来るのです。
立地など、もともとのマンションのスペックが査定額に大きな影響を与えるのはもちろんのこと、傷や凹みなどが少ない良い状態を保っていれば査定額アップにつながります。
そういったものは掃除しても変わらないので、査定前に慌てて掃除をする必要はありません。
掃除が必要なのは査定時ではなく内覧時
内覧時のポイント
- 掃除が必要なのは査定時よりも内覧時
- 部屋が汚いと購入希望者は購入に至らない
- 玄関・リビング・水回り・バルコニーは掃除必須
不動産のプロが見にくる査定の際は躍起になって掃除する必要はありませんが、購入希望者がやって来る内覧のときはそうはいきません。
購入希望者はほとんどが不動産の素人でしょう。
素人にとって大事なのは第一印象で、すなわち部屋がキレイかどうかが重要になってきます。
せっかく購入希望者が現れても、内覧で印象が悪ければ購入には至りません。
そのため、内覧のときは念入りに掃除をしましょう。
内覧時に掃除すべき場所ランキング
1.玄関
玄関はマンションの共有部分以外で最初に見るところなので、非常に重要な場所です。
玄関の印象ですべてが決まると言っても過言ではありません。
いくら他の部屋がキレイでも、ここで好印象を抱かせないと購入には至らないでしょう。
隅から隅まで掃除をし、靴を片付けて玄関には内覧者の靴のみが並ぶ状態にしておきましょう。
メモ
必ず玄関の電気をつけて内覧者を出迎えましょう。そうすることで“明るい部屋”と印象付けることができ、潜在的に部屋をよく見せる効果が期待できます。
2.リビング
内覧者は、玄関の次にまずリビングに足を向けることがほとんどです。
また、1日のほとんどを過ごす場所として入念にチェックをされます。
物がごった返していたりゴミが落ちていたりすると、マイナスの印象を与えてしまいます。
メモ
隣接するバルコニーのカーテンは思い切って開けておきましょう。部屋を広く見せる効果があり、眺望もアピールすることができます。
3.水回り
玄関やリビングがキレイでも、水回りが汚いとかなり印象を悪くしてしまいます。
バスルーム、キッチン、洗面所、トイレなどはいつも以上に気を使って掃除をしましょう。
水垢やカビなんてもってのほかです。
もし売却が決まった際にクリーニングするとしても、“あとでしますから”に内覧者は安心しません。
心のどこかに「水回り汚かった」というのが引っかかってしまうことも考えられるので、水回りはクリーニングするなら内覧前に行いましょう。
メモ
シャンプーや洗剤などはしまっておくと、広さをアピールできて好印象です。
4.バルコニー
意外と盲点なのがバルコニーです。
眺望が良いマンションは特に、内覧時にバルコニーに出て眺めなどを確認されます。
そのときにバルコニーが汚いと、いくら景色が良くても台無しです。
また、リビングからバルコニーを見た際に掃除がされていなかったら、いくらリビングがキレイでも良い印象を与えません。
メモ
バルコニーは共有部分となっているマンションが多いので、水勾配が悪い、給気口の錆など、気になることがあれば管理組合に報告すれば修繕してもらえることがあります。
5.その他マンションのアピール部分
収納が広い、出窓があるなど、マンションのアピールポイントになる部分は掃除をしましょう。
ただ「収納が広いんです」と言うだけより、思い切って見せた方がポイントアップにつながります。
中身をすべて出さないまでも、整理整頓して見せられる状態にしておきましょう。
その他、せっかくアピールポイントになる部分が汚いとマンションの良さを内覧者に伝えられないので、自信をもって紹介できるくらいキレイすると良いでしょう。
査定額アップに必要なのは掃除よりも修繕
破損部の修繕について
- 破損部分の修繕は査定額アップに繋がる
- 査定は破損したままでOK
- 査定時に不動産業者に修繕が必要か相談する
査定の際に慌てて掃除をしても査定額が上がらないことは前述しましたが、査定額アップのためにできることがないわけではありません。
査定額をアップさせるのに効果的なのは、掃除よりも破損部分の修繕です。
部屋がきれいかどうかは査定額に影響を及ぼしませんが、破損している箇所があればマイナス査定となってしまいます。
引き戸が動かしにくい、壁が凹んでいるなどがあれば、修繕したほうがいいかもしれません。
破損部分を修繕するタイミング
破損部分があっても、査定前に焦って修繕するのはやめましょう。
費用がかかることもあり、その分査定額が上がるという保証はありません。
まずは破損したまま不動産業者に査定してもらい、その際に数全するべきか否かを相談するのがベストです。
そうしたうえで、査定額アップに繋がる部分や売却に繋がらない致命的な部分を修繕するのが効率的です。
まとめ
マンションを売却する際、掃除で査定額がアップすることはありません。
しかし、内覧の際は購入希望者に好印象を与えるため、掃除が必要になります。
玄関、リビング、水回り、バルコニーは必ず掃除をしましょう。
また、査定額アップにつながるのは掃除よりも破損部分の修繕になります。
査定前に自己判断で修繕するのではなく、査定時に不動産業者に修繕するか否かを相談するのが一番の効率的な方法です。